10倍粥では足りない?離乳食に必要なカロリーを数字で見てみる

10倍粥は、母乳よりカロリーが低い食べものです。同じ量を食べさせても、母乳を飲ませたときより、とれるカロリーは減ります。補うつもりで、薄めていることになる。

ここでは母乳とおかゆとご飯を数字で並べて、6か月から何をどれだけ足せばいいのかを計算します。

薄いおかゆと濃いおかゆの器を並べたイラスト

母乳とおかゆのカロリーを並べてみる

まず、同じ100gでどれだけカロリーがとれるかを比べます。

文部科学省「日本食品標準成分表2015年版」より。おかゆはすべて精白米。
食べもの100gあたり1gあたり
五分かゆ(10倍粥に近い薄さ)36 kcal0.36
母乳65 kcal0.65
全粥(5倍粥)71 kcal0.71
ごはん168 kcal1.68

薄いおかゆは、母乳の半分ほどしかありません。5倍粥まで濃くして、ようやく母乳を少し上回ります。

おかゆを薄めるという作業は、水を足す作業です。水にカロリーはありません。赤ちゃんの小さな胃を、カロリーのないもので埋めていることになります。

0.8 kcal/g を目安にする

WHOは、補完食は同じ量でとれるカロリーを、少なくとも1gあたり0.8kcalにするようすすめています。母乳より濃くなければ、補う意味が薄くなるからです。

5倍粥で0.71。母乳は超えますが、0.8にはまだ届きません。おかゆだけで組み立てようとすると、どうしても足りなくなるということ。だから油やたんぱく質を足して、濃さを上げていきます。

まず母乳を超えることを目標に

いきなり0.8をねらわなくて大丈夫です。母乳の0.65より濃いかどうかが、最初の分かれ目になります。すすって飲める濃さのものは、たいてい母乳より薄いと考えてください。

足りないカロリーは、6か月で1日200kcal

母乳やミルクのほかに、どれくらい必要なのか。WHOは月齢ごとに次の数字を示しています。

WHO/PAHO. Guiding principles for complementary feeding of the breastfed child, 2003 より。
月齢1日に足したいカロリー
6〜8か月200 kcal
9〜11か月300 kcal
12〜23か月550 kcal

1歳をすぎると、必要な量が一気に増えます。母乳やミルクだけでまかなえる割合が、それだけ小さくなっていくからです。

200kcalを5倍粥だけでとると、280g必要

6〜8か月の200kcalを、5倍粥だけで用意してみます。1gあたり0.71kcalなので、200 ÷ 0.71 で約280g。

大人用のごはん茶碗に、1杯半ほどの量です。これを1日で食べきる赤ちゃんは、まずいません。

薄い10倍粥にすると、必要な量は560gになります。ごはんなら120gですみます。同じ200kcalでも、何で用意するかで量が5倍近く変わる。

月齢を入れて計算できます

足りないカロリー計算を使うと、お子さんの月齢に合わせて、おかゆやごはんで何g必要かが出ます。

だから、早めに回数を増やす

1回で食べられる量には限りがあります。1回では無理なら、回数を増やすしかありません。

WHOの目安は、6〜8か月で1日2〜3回、9か月からは3〜4回。これに加えて、1日1〜2回の補食をすすめています。

回数は月齢で決めるものではないと考えてください。必要なカロリーを、1回に食べられる量で割る。答えが回数です。

薄いものしか食べてくれないとき

濃いおかゆを嫌がる子はいます。そのときは濃さを戻して構いません。かわりに、カロリーを足せるものを混ぜます。

粉ミルクは鉄も一緒に入ります。食材のひとつとして使うと考えると、使い道が広がる。くわしくは鉄の記事に書きました。

どうしても薄める必要があるときは、水ではなく育児用ミルクで薄めてください。水にカロリーはゼロですが、育児用ミルクなら、薄めながらも多少のカロリーは入ります。

回数が増える前提で、道具をそろえる

1日2回が3回になり、補食が加わります。全部を手作りしようとすると続きません。

冷凍を前提に、まとめて作って小分けにしておく。市販のベビーフードも遠慮なく使う。どちらも「手抜き」ではなく、回数を増やすための道具です。

数字は目標であって、ノルマではありません

200kcalは平均の目安です。毎日きっちり届かせる必要はありません。1日ごとに合わせようとせず、1週間くらいの幅で見てください。

出典

  1. 文部科学省「日本食品標準成分表2015年版」(第7版)
  2. WHO/PAHO. Guiding principles for complementary feeding of the breastfed child. 2003
  3. 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)

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