10倍粥では足りない?離乳食に必要なカロリーを数字で見てみる
10倍粥は、母乳よりカロリーが低い食べものです。同じ量を食べさせても、母乳を飲ませたときより、とれるカロリーは減ります。補うつもりで、薄めていることになる。
ここでは母乳とおかゆとご飯を数字で並べて、6か月から何をどれだけ足せばいいのかを計算します。
母乳とおかゆのカロリーを並べてみる
まず、同じ100gでどれだけカロリーがとれるかを比べます。
| 食べもの | 100gあたり | 1gあたり |
|---|---|---|
| 五分かゆ(10倍粥に近い薄さ) | 36 kcal | 0.36 |
| 母乳 | 65 kcal | 0.65 |
| 全粥(5倍粥) | 71 kcal | 0.71 |
| ごはん | 168 kcal | 1.68 |
薄いおかゆは、母乳の半分ほどしかありません。5倍粥まで濃くして、ようやく母乳を少し上回ります。
おかゆを薄めるという作業は、水を足す作業です。水にカロリーはありません。赤ちゃんの小さな胃を、カロリーのないもので埋めていることになります。
0.8 kcal/g を目安にする
WHOは、補完食は同じ量でとれるカロリーを、少なくとも1gあたり0.8kcalにするようすすめています。母乳より濃くなければ、補う意味が薄くなるからです。
5倍粥で0.71。母乳は超えますが、0.8にはまだ届きません。おかゆだけで組み立てようとすると、どうしても足りなくなるということ。だから油やたんぱく質を足して、濃さを上げていきます。
まず母乳を超えることを目標に
いきなり0.8をねらわなくて大丈夫です。母乳の0.65より濃いかどうかが、最初の分かれ目になります。すすって飲める濃さのものは、たいてい母乳より薄いと考えてください。
足りないカロリーは、6か月で1日200kcal
母乳やミルクのほかに、どれくらい必要なのか。WHOは月齢ごとに次の数字を示しています。
| 月齢 | 1日に足したいカロリー |
|---|---|
| 6〜8か月 | 200 kcal |
| 9〜11か月 | 300 kcal |
| 12〜23か月 | 550 kcal |
1歳をすぎると、必要な量が一気に増えます。母乳やミルクだけでまかなえる割合が、それだけ小さくなっていくからです。
200kcalを5倍粥だけでとると、280g必要
6〜8か月の200kcalを、5倍粥だけで用意してみます。1gあたり0.71kcalなので、200 ÷ 0.71 で約280g。
大人用のごはん茶碗に、1杯半ほどの量です。これを1日で食べきる赤ちゃんは、まずいません。
薄い10倍粥にすると、必要な量は560gになります。ごはんなら120gですみます。同じ200kcalでも、何で用意するかで量が5倍近く変わる。
月齢を入れて計算できます
足りないカロリー計算を使うと、お子さんの月齢に合わせて、おかゆやごはんで何g必要かが出ます。
だから、早めに回数を増やす
1回で食べられる量には限りがあります。1回では無理なら、回数を増やすしかありません。
WHOの目安は、6〜8か月で1日2〜3回、9か月からは3〜4回。これに加えて、1日1〜2回の補食をすすめています。
回数は月齢で決めるものではないと考えてください。必要なカロリーを、1回に食べられる量で割る。答えが回数です。
薄いものしか食べてくれないとき
濃いおかゆを嫌がる子はいます。そのときは濃さを戻して構いません。かわりに、カロリーを足せるものを混ぜます。
- 粉ミルク。乾いた粉のまま混ぜられるので、水分を増やさずにカロリーが上がります
- 油。少量でカロリーが大きく増えます
粉ミルクは鉄も一緒に入ります。食材のひとつとして使うと考えると、使い道が広がる。くわしくは鉄の記事に書きました。
どうしても薄める必要があるときは、水ではなく育児用ミルクで薄めてください。水にカロリーはゼロですが、育児用ミルクなら、薄めながらも多少のカロリーは入ります。
回数が増える前提で、道具をそろえる
1日2回が3回になり、補食が加わります。全部を手作りしようとすると続きません。
冷凍を前提に、まとめて作って小分けにしておく。市販のベビーフードも遠慮なく使う。どちらも「手抜き」ではなく、回数を増やすための道具です。
数字は目標であって、ノルマではありません
200kcalは平均の目安です。毎日きっちり届かせる必要はありません。1日ごとに合わせようとせず、1週間くらいの幅で見てください。
出典
- 文部科学省「日本食品標準成分表2015年版」(第7版)
- WHO/PAHO. Guiding principles for complementary feeding of the breastfed child. 2003
- 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)
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